名張毒ぶどう酒事件

最高裁は名張毒ブドウ酒事件について、犯行に使われた毒物と被告人が所有していた農薬が同一であると...

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名張毒ぶどう酒事件

(2010-04-08)

最高裁で差し戻し

最高裁は名張毒ブドウ酒事件について、犯行に使われた毒物と被告人が所有していた農薬が同一であるとする過去の鑑定結果が科学的に疑問があるとして、名古屋高裁に差し戻した。
この事件は冤罪の疑いがあると以前からいわれていたものだが、これまで再審は行われてこなかった。


約50年も前の事件

事件が起こったのは1961年だからやがて50年になる。奥西死刑囚はこれまで何度も再審を求めてきた。自分は無実であるという確信がなければ、無実を訴え続けることはできないのではないかと思う。
最高裁も唯一の物証である鑑定が疑わしいとなったのであれば、高裁に差し戻さず、再審決定をすべきであった。奥西死刑囚はもう84歳とのこと。一日も早く再審が開始されることを願います。


刑事裁判の怖さ

先に再審無罪となった足利事件の菅家さんの事件でも、刑事裁判に携わるものは誰もが冤罪を作りたくないと考え、正義を行使するつもりだったはずです。
それにもかかわらず冤罪を生み出してしまったことについて、警察や検察だけでなく、裁判官も弁護士も真摯に反省しなければなりません。いつでも冤罪を産むのではないかとの刑事裁判の怖さを感じながら事件に向き合うしかないと思います。